グミ苦手人間VSグミ
ものごころついたときから、グミが苦手でした。
おそらくは食感が好きでなかったことによるもので、進んで購入したり、食べたりということはなく、帰省時に祖母から渡される肝油ドロップも可能ならば食べずに済ませたいと思っていました。
ところがグミの対女性求心力は携帯菓子界で随一であり(個人の感想です)、ことあるごとに「1個あげるねー」と差し出されるグミを断り切れずに食べてここまで生きてきた次第です。
いや、くれたことはとても嬉しいので感謝しています。でも正直、いつもちょっと「グミだな……」と思っていました(そして時間があるときは舐めて食べていました)。ここに懺悔します。
私は苦手でも世間では昨今大人気のグミ。グミ愛好家の数も多いと聞き、その愛好家の中でも評価の高いグミと低いグミがあるとか。
このあたりでふと、「グミが苦手な人間がグミを食べたら、その評価はグミ愛好家の多数派意見と真逆になるんだろうか」というどうでもいい疑問が首をもたげ……そして気が付いたら手元にはグミが集まっておりましたとさ。
今回はそういういきさつのやつです。グミが苦手な人間がグミを食べて好き勝手言いました。その備忘録です。
グミが苦手な人が目にして共感してくれれば嬉しいし、グミ愛好家側の意見が出てくればそれも面白いな……というくらいのスタンスですね。
グミ苦手人間 VS グミ
【ルール】
グミを食べて好きなように感想をメモして「好きかどうか」という観点で採点をします。基本的には以上です。
……というだけではあんまりなので、ゆるく制約をかけました。
・舐めずに最初から噛んで食べる(グミとしての評価をしたいので)
・複数の味が入っている製品の場合、原則として全ての味を食べる
(袋に入っていない場合を除く。味ごとに評価が異なる場合は別で採点する)
ちなみに残ったグミは全てグミ愛好家のフォロワーに横流ししています。勿体ないからね。
【採点基準】
採点は0~10点、0.5点刻みで行います。具体的な基準は以下の通りです。
10点 うまい グミでも常食したい
8点 自腹で買う可能性があるライン
6点 そこそこだと思う 人からもらった時に「貰った」以上の喜びが生じるライン
4点 まあ食える
2点 出されたら食べると思うけどできれば食べたくない
0点 正直食べ物ではない
グミ愛好家にそのうち刺される気がしてきましたね。
【結果】
こんなにどうするんだろうな、という種類のグミを購入し、とりあえずやってみた第一陣の結果は以下のようになりました。
<果汁グミ>(明治) 8点
ブドウ、マスカット味。
味はおいしい。フルーツ味のお菓子にありがちなわざとらしさというか、独特の「フルーツ味のお菓子味」がしない。本物のフルーツっぽい。「果汁グミ」と名乗るだけのことはあると思う。
食感は……グミ。「ああグミ食べてるなあ……」以外の感想はあまりない。パッケージには食感のレベルが2番目の柔らかさと表記されていたが、結構歯ごたえを感じた。これで下から2番目……?(明治基準なので他社がどうかはわからないけど)ただ口どけはやわらかかったので、もしかしたらそのあたりを加味しているのかもしれない(冬なので気温の影響もあるかも)。
グミを普段買わない人間のイメージですが果汁グミが一般的なグミ像なので、これを10点中8点として以後の基準にしていきたいと思います。
<フェットチーネグミ>(ブルボン) 8.5点(芳醇りんご)7.5点(イタリアングレープ)
芳醇りんご味。
これブルボンだったんだ。知らなかった。
表面に酸っぱいパウダーがまぶしてあるタイプ。パウダーがすぐに溶けてなくなってしまい、グミが残される。口が酸味を感じてわりとすぐに引いていくあたり、多分これがベストのバランスなのだと思う。グミ本体は甘いので、次を食べる時に酸味で一度引き締まるのは良いと思った。
しかし硬い。パッケージには「アルデンテな噛み心地」と記載されていたが、それにしても歯ごたえが強い。味は好みだったが(リンゴが「甘酸っぱい」と相性のいい果物だっただけの可能性もあるので要検討)些か硬い。1噛み目はまだいいんだけど、2噛み目でどうしても「やっぱ硬いな……」ってなってしまう。ただし嫌な食感ではないので個人的には好きかもしれない。
(追記)イタリアングレープも買ってきた。わりと好きだが酸味と甘みの愛称はりんごに劣るか。酸っぱいパウダーの酸味が強すぎないのもいいところだと思う。ただ、おいしいと思って食べているのに、口に入れて噛むたびに妙な寒気がするのは何故なのか(りんごでもなる)。身体が拒否を……?
<ペタグーグミ>(ノーベル)4.5点(グレープ)
グレープ味。
フォロワーのオススメ。グミ好きの中ではアツいらしい。
オススメしてた本人も言ってたけど、とにかくべらぼうに硬い。昔輪ゴム噛んでたことを思いだした。グミってもうちょっと柔らかいイメージがあるので、ここまでくるとさすがにもうゴムだと思う。
味はよくあるブドウ味のお菓子。わざとらしいまでのブドウ味。一応果汁は入っているらしいけど含有率は宣伝されていないので、味はウリにしていないのだと思う。と、いうか、これだけの硬さを維持するためにか口どけのようなものはすこぶる悪く、口の中でほぐれていくような感覚がほとんどない。味もあんまり広がらない。「食感を楽しむお菓子」であるところのグミを見せつけられた気がした。
<コロロ>(UHA味覚糖)5点(グレープ・マスカット) 7.5点(オレンジ) 2点(ラムネ)
グレープ、マスカット、オレンジ・ブレンド(ミニッツメイドとのコラボ)、流水ラムネ(鬼滅の刃とのコラボ)味。
食感が独特。グミではない。口に残るコリコリの皮と中身の柔らかいながらも主張する歯ごたえ、何かを思わせると思ったら海産物だった。海産物は好きなので、今度イカの不漁が続いたときにでもこの技術で人工イカ作れたりしないかな。だめか。生の果物に近いかと言われると……遠くはないけど海産物の方が近そう。
味はブドウ、マスカット共に比較的再現度が高い。食感が現実のブドウ類寄りなので、方針としては順当。ただ上述の通り食感が海産物なので、味が果物の甘さであることに慣れず微妙な気持ちになる。この点はドリンク系の方が馴染みが良く、「そういう食べ物」として認識できるので違和感があまりなかった。
ただ流水ラムネ味はヤバい。食感(他より内側がやや硬め)と味の間に違和感こそないが、池の水を思わせる色合いと甘さを疑う香り(昆布っぽい?)、味の第一波にも「何か(やはり昆布っぽい……)」がいる。ヤバい。(追記:母曰く「プルーンの味に近いのでは?」なるほど、そのたぐいのうま味か……)
<ピュレグミ>(カンロ) 6.5点(グレープ) 7点(マスカット)
グレープ、マスカット味。
酸っぱいパウダーが付いているタイプのグミ。酸味はフェットチーネグミより強いかも(マスカット味は酸味がやや控えめで、これはフェットチーネグミに近かった)。
弾力はあまりない。ゼリー菓子に近いが、私は正直ゼリー菓子もあまり好きではない。
グミ自体の味はあまり強くないのか、酸味から甘味へ切り替わる中間に一瞬「味の空白地帯」がある。これまでにはない感覚で新鮮。果物味はグレープだと薄い。定番なので独自路線に進んでいるのかもしれないと思った。マスカット味の方が全体的にそつなくまとまっている味で、個人的にはこっちのほうが好き。
<HARIBO ゴールドベア>(HARIBO) 5点
おそらく最もスタンダードなアソートタイプ。イチゴ、オレンジ、リンゴ、ラズベリー、レモン、パイナップルの6種。パイナップルが袋にひとつしか入ってなくてびっくりした。
硬い。弾力もある。「噛み切れない」感が強い。一方で味はあまり強くないのか、口いっぱいに果実感が!みたいなことは一切ない。各フレーバー「まあそれらしい味はするけど……」くらいの、お菓子らしさ全開の味(酸味を抑えたせいなのか、レモン味だけ妙に芳香剤みたいな香味だった)。個人的には好みでないが、「これがグミの本家なので……」と言われれば納得はできる。グミらしい。
ちなみに一番味が好きだったのはイチゴ(菓子らしいチープなイチゴ感に慣れているからかも)。
<男梅グミ>(NOBEL) 8点
濃厚梅干し味。
パッケージと色が違ってビビった。茶色のものが意図しないところから出てくるとビビるよね……
噛み始めは硬めのグミかと思ったが、味のしみ出る感覚や口どけ(ぐにっとした「グミらしい」欠片はあまり残らない)がグミから遠く、グミではない食物としておいしいと感じた。ただ硬いので最初はビビる。
味もねり梅に近いので個人的には好きな部類(ねり梅は常備していた時期がある程度には好き)。まあ塩味が主体なので、食べたいときとそうでないときははっきりしてるかもしれない。日本茶と合わせたい。
<コグミ>(UHA味覚糖) 6点
グレープ、アップル、マスカット、オレンジ味のアソート。
やや柔らかめ。果汁グミ等に近い硬さ。小粒ながらグミらしい歯ごたえはしっかり感じられる。
味はチープ過ぎないが、かといって本格的な果汁感があるわけでもない。味に癖はないが、ここぞという特徴もない。1つあたりが小さいからといって味がとても濃い……ということもなかった。
製品として推している特徴は名称からも「小粒であること」と推測されるが、これをありがたいと思うかは人それぞれで大きく異なると思う。個人的にはあまりありがたいと思わなかった。
<つぶグミ>(春日井製菓) 5点
グレープ、アップル、マスカット、ピーチ、グレープフルーツ味。
硬め。パッケージにも書いてある。粒の見た目はジェリービーンズによく似ているが、思わぬ硬さで捕食を拒んでくる。
噛み始めた瞬間にそれぞれの味が感じられるが、濃さはまちまち。グレープ味が特に分かりにくい(アップル、マスカットは比較的味が分かりやすい)。そして全体的に甘い。香りが強いのか、袋の中は謎のトロピカルフルーツ臭になっていた(ピーチ、マスカットあたりの香りが強すぎるのかも?)。
粒の大きさに対して硬いので、噛み砕くころには口内での存在感が薄れている。もしかしたらグミ好きは複数の粒を一度に口に含むのかもしれない。そう思って試してみたら、確かに食べごたえは跳ね上がったが味もとっ散らかった。あとべらぼうに甘い。私には早かったようです。
さて、手元にまだ相当数のグミが残っているのですが、こちらも随時崩していこうと思います……